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MOTO GUZZIのデュアル・パーパス、Quota1100ES。 [MotoGuzzi Quota1100ES]

Motoguzzi Quota.jpg
今回ご紹介するのはBMWではなくMOTO GUZZIのちょっと珍しいマシン、Quota1100ESです。
昨年、久々に登場したグッツィのデュアル・パーパス・マシン、ステルビオ1200が完成度の高さで注目を集めましたが、その先輩に当たるマシンといっていいでしょう。

イタリア語で「高さ」を意味する"Quota"の名は、やはりステルビオと同じくイタリアの北部国境の山々の雄大で険しい風景を駆け抜ける姿をイメージしているのでしょうか。
グッツィには'80年代半ばにV35TT / V65TTというロードモデルをベースにしたデュアル・パーパス車がありましたが、垢抜けないデザインのせいか、人気車とはなりませんでした。


NTX750.jpg
そんな中、パリ・ダカール・ラリーの人気の高まりに合わせて発表されたのがNTX750でした。
フレームこそ既存のミドル・サイズのロードモデルがベースであることに変わりありませんが、専用のボディ・ワークはなかなかに個性的で、本国ではポリス用としても活躍しました。

このNTXに代わるマシンとして'89年に発表されたのがQuota1000です。
フルサイズのVツインは1000Sやル・マンⅢと同じ948.8cc、ロードモデルの流用ではない専用フレームが与えられ、スイングアームは特徴的なデルタボックス状のものとなりました。
'92年にはウェーバー・マレリ製のインジェクションとなり、ベースのロードモデルよりも低回転寄りに設定されたエンジンは、より扱いやすいものへと発展。この世代のQuota1000の試乗記が「別冊モーターサイクリスト'96-9月号」に掲載されていますが、「けっして万人向けではないが、実に味わい深い真の大人のためのビッグオフ」と柏秀樹さんは評価しています。



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▲Quota1100ES : MOTO GUZZI社広報写真より

Quota3.jpg
弊社にある'99-'00モデルは、Quotaの最終型といえるモデル、1100ESの黒のモデルです。
排気量は1064ccに拡大され、85Nmの大トルクを3800rpmという低回転域で生み出します。ボディの基本形は変わりませんが、シートやサイド・カバーなどの細部はより洗練され、質感も向上しています。

大型デュアル・パーパスといえば、ここ何年かはBMWのGSがその完成度の高さから代表格となっていますが、年々オンロードよりの性格に傾きつつあり、初期のR80G/Sと同じ意味でのデュアル・パーパスとは言い難くなってきていることも確かです。
そんな中で、このQuotaの特徴のひとつはフロントに21インチのオン・オフ用タイアを履いていること。
これほどの車格にして21インチもの大径のタイアを履きこなしているのは、実走行テストによる開発を重んじるグッツィの本領発揮といえるかもしれません。
実際にQuota1000~1100ESのオフロードでの走破性と操縦性は国内の試乗記事だけでなく、海外でも高く評価されています。一見同じジャンルのように見えても、現代のGSやトライアンフ・タイガー、自社のステルビオなどとは微妙に位置づけの異なる、真の「オールラウンダー」だといえるのではないでしょうか。

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▲picture:courtesy of Stefano Serra.

本国イタリアのオーナーズクラブのひとつ、"GUZZI ENDURO"のHPを訪れると、アルプスの美しい景色のもとにQuotaやNTX、V65TTなどが大勢集まったミーティングの模様を見ることができます。
上の写真のStefano Serra氏のマシンは、ほぼ弊社にあるストックと同じ仕様ですが、パニア・ケースをフル装備した姿はBMWのR-GSにも引けをとらない風格を感じさせます。

Quotaメーター.jpg
弊社のストックのQuota1100ESの美しいヴェリア製のオドメーターは1005kmを示しています。
新車ではありませんが、まだ慣らしも終わっていない状態です。
貴方なら、このマシンをどんな風に育てていきますか?
どうぞ一度実車を確認にお越し下さい。心よりお待ち申し上げます。



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コメント 4

YASH

今ではすっかりオンロード車となったTDMですが、
850の初期型はこういうタイヤを履いたデュアルパーパスでした。
当時は面白いカタチだけどよくわからないジャンルだと思ったものでしたが、まだ視野が狭かったんでしょうね(笑)
今ではこの手の脚長ツアラーの裾野も広がって、選択肢が増えたのは
喜ばしい限りです。

品のよい、カスタムマシンのようなメーターが素敵ですね。
by YASH (2009-02-07 22:49) 

hirooka

YASHさま、コメントありがとうございます。励みになります。
確かにTDM850の出たばかりの頃は、ちょっとスーパーテネレの匂いもする不思議なデュアル・パーパスといった感じでしたね。
私は'94年モデルのR100Rミスティックに乗っているのですが、当時のイギリスのバイク雑誌でデビュー直後のTDM850との比較記事がありました。不思議な比較だと思ったのですが、どうもオフ車をベースに脚を縮めたオールラウンダーという点で同ジャンルだと受け止められていたようです。
ここ数年、バイク・メーカーの市場拡大を目指す試みのせいか、ジャンル分けの垣根が以前よりも緩やかになってきたような気がしますね。これからも種類分けの難しいような面白いバイクが出てくるのではないでしょうか。

Quotaのメーターは仰るとおりなかなかの美しさです。海外のメーカーはそれぞれ個性が豊かで、見ているだけでも楽しいですよ。
by hirooka (2009-02-08 15:02) 

megu

はじめまして。現在クォータが気になって仕方ないR100GSのりです。
変な質問ですが、このクォータは販売されているのでしょうか?
販売されている場合だいたいいくらぐらいなのでしょうか?
差し支えなければ教えていただけますか?
よろしくお願いします。
by megu (2009-02-25 22:56) 

hirooka

meguさま、お問合せいただきありがとうございます。
車両の状態など細かなお話もお伝えしたいと思いますので、よろしければこのページ上部左側の「プロフィール」をクリックしていただき、その先のページ記載のメールアドレスまでお問合せいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願い致します。
(担当:池田)
by hirooka (2009-02-26 09:11) 

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