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新世代のスポーツ・ツアラー、K1600GTL詳報。 [K1600GTL]

コクピット.jpg
いよいよ、今週6/2(木)に新型K1600GTLが当店に入荷します。
それに先立ち、先日実車に触れてきた時の様子をご紹介しましょう。

実際の車両に跨ってみると、シートとハンドルのポジションは絶妙で
軽く腕を伸ばしたところにちょうどグリップがあるという印象。
旧K1200LTのように、少し苦労してハンドルを手前に持ってきたという感じではなく
K1300GTとくらべると格段にリラックスできるポジションです。
低めのシートは比較的幅があり、腰を包むような形状で収まりが良いのですが
シート前部は十分に絞られているおかげで脚付は踵まで着く上に膝に余裕があり、
跨った状態で踏ん張って車重を十分支えられるという安心感があります。
平地であれば、跨ったままで両足で地面を蹴って、安心して後退できます。


コクピットパネル.jpg
端正な表情ですが、かなりの高機能なコクピット。
アイドリング+の低回転から驚異的な高トルクを発揮する6気筒エンジンを楽しむためには
この見えやすい場所にあるシフト・インジケータがとても役に立ちます。

普通に流れている国道であれば、6速で流すこともできるほどの低速トルクがある一方で
西伊豆スカイラインを2速で駆け巡る爽快感は格別なものがあります。
もちろん、間を取って4速に入れたまま、ワインディングから一般道、
さらには高速道路までをもカバーできてしまう...様々な使い方ができてしまうのです。

その6気筒エンジンの楽しみを拡げてくれるのが、S1000RRに続いて採用されたMODE設定。
スロットルは電気信号を送る「ライド・バイ・ワイヤ」形式で、3種類のモードを切り替えることで
レスポンスが変化するだけでなく、ABSやトラクション・コントロールの介入の仕方も変化します。
RAINモードであればすべての操作に穏やかに反応してABSの介入も早めとなり、
DYNAMICモードでは目の覚めるようなシルキー6のレスポンスを楽しみながら
車体の軽さを完全に忘れてワインディングを駆け抜けることができます。


エンジン幅はコンパクト.jpg

ピッチの狭さ。.jpg
このエンジンはK1300シリーズに単純に2気筒を足したのではなく、完全に新設計のもの。
前傾の角度は1300と共通ですが、ボア・ピッチはこれまで以上に詰められています。
ウォーター・ジャケットの内側、シリンダー間のライナーの幅の狭さは驚異的ですね。
ピストン同士の最も近い部分では数ミリしかありません。
こういう部分には、きっとF1で培われた技術も投入されているのではないでしょうか。


スリップストリームディフレクタ.jpg
電動のスクリーンはK1300GTよりも大きめで、持ち上げた時の角度も大きく
GTはもちろん、R1200RTよりも防風効果は高そうです。

あまりにフェアリングの効果が高いと、日本の夏は厳しくなりがちですが
走行風の導入を図る工夫も。
アッパーカウルの下部、シリンダヘッド上部にあるこの部品を手動で開くことにより
想像以上の走行風が上半身、特にお腹から胸に当たるようになっています。
このパーツの名称は「スリップ・ストリーム・ディフレクター」。F1みたいですね。


ファイナルドライブケース.jpg
ファイナル・ドライブ・ケースは全くの新設計で、これまでのものとは形状も異なります。
かなりコンパクトですが、最近のモデルの特徴だった中空のハブ・センターではなくなっています。


Akrapovic製マフラー.jpg
一般的なツアラーとは概念の異なるマシンであることを象徴するように
Akrapovic製のスポーツ・マフラーがオプション設定されています。
左右セットで交換すると、約7kgの軽量化に繋がるとこのこと。
試乗車の台数が少なかったため試すことはできませんでしたが
ほぼ標準のパニア・ケースを外したのと同じ軽量化の効果がある筈です。
音質の素晴らしさは、もう言うまでもありません。
西伊豆のトンネルにもその澄んだ咆哮が響き渡りました。


Z8.jpg
K1600GTLには、このMetzeler Roadtec Z8 Interact(2011年3月から新発売)が
標準装備として採用されています。
2009年にデビューしたZ6も高いバランスで各方面で絶賛されたタイアですが、
その思想をさらに推し進め、おそらくK1600GTLと同時に開発されたのではないかといわれています。

Z6よりはフロントのラウンド・プロファイルがやや緩やかに設定されているとのことでしたが
西伊豆のワインディングでの安定感とハンドリングの軽快さ、
湿った路面でも気兼ねなくイン側ギリギリまで楽に車体を寄せられる安心感は素晴らしいものでした。
インストラクターを努めていただいたジャーナリストの松井 勉さんに試乗中にお話を伺いましたが、
「今回のZ8の進化で、Metzelerはこの分野でいきなり2年近く他社よりも先を行っているような
 格段の進化を遂げてしまったという気がしますね。他のタイアを選ぶ理由が無い、というくらい」
と絶賛されていました。


アダプティブ・ヘッドライト.jpg
冬の発表時から話題となっていた「アダプティブ・ヘッドライト」は
日本仕様にも正式に採用されています。
キセノン・ライトを光源として、可動式の反射鏡を組合せて
車両の前後方向の姿勢変化やワインディングでのバンク時などの動きに合わせて
照射先を最適な方向に調整する画期的なシステムです。

一般的なボディ一体式のライトでは、カーブを曲がる際にライトが照らす先が
コーナーの外側を向いてしまったりしますが、
GTLの「アダプティブ・ヘッドライト」では単に車両の前方を向くという以上に、
バンク角に合わせて「曲がる先=曲がろうとするカーブのクリッピング方向を照らす」という
高度な照射調整を車体が自動的に行ってくれるのです。
試乗した時間帯は昼間でしたが、もし夜間にこれだけのボリュームのある車体を安心して快適に
走らせようとした時には、絶大な効果を発揮してくれるだろうと想像できます。


質感の良いトップケース.jpg
トップケースはGTLには標準装備。大き目のバックレストは仕上げも高級感に溢れています。

全く新しいエンジンに加えて、これだけの安全・快適装備も含めた車両本体価格が300万円(税込)...
既存のモデルと比べると十分にお買い得感がありますね。
今週末、ぜひMotorrad Naganoのショールームで新型GTLをご覧になってみてください。


☆☆☆


先週末、5/28(土)、29(日)に開催された『信州輸入車ショー』には
大勢の皆様にお越しいただき、誠にありがとうございました。
初日の夕方からは、あいにくの雨模様でしたが
二日間で例年以上の来場数となり、会場も熱気がありましたね。
土曜日の2時くらいまで試乗も行いましたが、BMWの6車種はいずれも高い人気でした。

中信エリアでは最大規模のこのショーですが、
今後とも「輸入車の楽しさ」に実際に触れて体感できるイベントとして、
盛り上げていきたいと思っています。
来年も、どうぞよろしくお願い致します。


☆☆☆

昨年12月18日より新生「Motorrad Nagano」としてリニューアル・オープン致しましたが 目の前の国道19号の拡幅工事もほぼ完了し、店舗前に新しい信号「広丘交番北」もできました。 当店前の舗道も一気に5m幅とたいへん広くなり、駐車場の舗装も完了して入りやすくなっています。

 ●3月~10月末までは夏季営業時間:09:30 - 19:00
 ●2月末までは冬季営業時間:10:00 - 18:00

 とさせていただきます。定休日は水曜日(祝日の場合は営業)です。
 皆様のお越しを心よりお待ちしております。

タグ:K1600GTL
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コメント 6

うえいぱうわ

シリンダーの厚みは薄いだろうなと思っていましたが、
ここまでとは驚きました。
これでもいけるんですね、さすがはBMWです。
by うえいぱうわ (2011-06-02 09:57) 

イナテツ

K1600GTL
さすがの仕上がりですね~

こういうの1台所持して街乗りで気軽に乗れるFシリーズも1台所有してが理想なんでしょうね、稼がないと。(笑

ハーレーでも同じ様な感じでした。
ウルトラとか大きいの1台所有して気軽に乗れるスポスタも所有してと。
by イナテツ (2011-06-02 17:15) 

矢崎成人

やだなぁ、そうやって誘惑するんだから(笑)。
近いうちに、拝見しに伺いますね。


by 矢崎成人 (2011-06-02 23:41) 

hirooka

☆うえいぱうわさん、このシリンダーのピッチは凄いですよね。
 こういう部分には、ここ数年のコンピュータを駆使した設計技術と
 F1などの最先端での経験が活きているのだろうと思います。
 それにしても隙間の無い車体構成で、
 メカニックは頭が痛くなりそう...ですけど。

☆イナテツさん、これはなかなか凄いマシンですよ。
 K1300Sを「個人用新幹線」なんて喩えてましたけど
 これは「個人用ジェット機」ですね。素敵な音からしても。
 不思議とゆっくり国道を走っていても急かされないマシンなんです。
 すべてに余裕があって、気持ちが安らぐんですね。

☆矢崎さん、今日はありがとうございました。
 間近で見ていただいて、ちょっと欲しくなっちゃいませんでした?
 これだけ技術を駆使して、新しい種類の乗り物を真剣に開発する
 BMWというメーカー、懐が深いですね。
by hirooka (2011-06-03 22:32) 

Nori

気になって調べてみたら、やっぱり、ショートストロークなんですね。
パワー&トルクも押さえ気味なので、壁面への力はあまりかかっていないのかも知れないなぁと妄想しています。
シフトアシストはついてるのかなぁ。とか、フレームはどんな構造なんだろうなぁ。とか、いろいろ、妄想してしまいます。
Concept 6みたいな形のも出てこないかなぁとか。
妄想が止まりません。。。
by Nori (2011-06-06 00:19) 

hirooka

☆Noriさん、こんにちは。
 ボアxストロークは72x67.5mmですけれども、
 現代のエンジンとしては意外にスクエアに近く
 そういう意味では長めのストロークと考えてもいいのかな、と。
 ボア・ピッチを詰めた結果、そういう方向になったとも言えそうです。
 低速でのトルクの厚みは、このストロークによるところも大きいかも。
 シフト・アシストは今回は無しです。シフトさぼれちゃうので(微笑)。

 Concept 6みたいなネイキッド・マシン、是非出して欲しいですよね。
 楽しみです。
by hirooka (2011-06-06 11:54) 

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